漢方の考え方には、病気そのものではなく「病気になった人を治す」というものがあります。病気になった原因、その人の体質、生活環境、栄養状況、遺伝など様々な要因の重なりとして「病気」という不調が目に見える形になったと考えられているのです。ですので漢方薬はある意味では薬であり、また別の意味では日々の食事を補う食品のひとつだと捉えることもできます。田七人参など漢方薬に多い滋養の効果は、薬効を存分に生かすための体内の素地作りに必要な効能だと言えるでしょう。家族の病気やこれまでの体質、日常生活の様子などから食事に取り入れるべきもの、改めるべき生活習慣について助言され、治療の一助として薬が処方されます。かかってしまった病気のみならず病気になりそうな状態から、将来あるいはかかるかもしれない病気までを含め「人を治す医学」、それが漢方の考え方なのです。
